適正な枝打ち

近年増加しているスギやヒノキの虫喰い。
その中でも代表的なのがアカネトラカミキリの被害。
今回、秋田県の農林水産部林業木材産業課の方のお話をうかがう機会がありました。
秋田といえば「秋田杉」が有名ですが、アカネトラカミキリの被害がこちらも増加中とか。

そして「下手な枝打ちはその切り口から虫が入るから逆効果」という話が。

ん?そんなアカネトラカミキリによる被害木を防ぐには適切な枝打ちが有効といわれていたはず。枝打ちはしても意味がないの?

詳しく聞くと、枝座(枝の根元部分)を少し残して切り口がスパっときれいに切ってあればよいが、ギザギザ切り口で節ガタガタだと、枯枝が折れた状態に近くなり、虫の入りやすい入口になってしまう、ということでした。

こまめに枝打ちしても、虫さんどうぞ、ではまさに逆効果!枝打ちすればいい!ってもんでもないんですね。

アカネトラカミキリの被害部分

アカネトラカミキリの幼虫が食べて成虫になって飛び立っていった食痕。
成虫が中にいるままに遭遇することは、まずないそうです。
当社でも三重県産材の多くが被害のあるため、製材していると、この食痕が当たり前にでてきますが、成虫を見たことあるものはおりません。
三重大の先生が、被害部分について強度や耐久性を調べられましたが、程度の分類と認識をもってみれば、
強度や耐久性が健全材とほとんど変わらないという正しい認識をもって使用していきたいですね。写真は土台に使用されているあかね材です。

<担当者より>
現在、三重県では「あかね材」の利用促進を進めていますが、山で減らすための施策は何かしているのか、たずねてみました。三重・秋田両県の方とも「今、すでに被害にあっている木を枝打ちしても手遅れだし、若い苗木に手を加えていっても成果がでるのは早くて3~40年後。林業の担い手の少ない今、優先順位としては低い。」との見解でした。うーん、山の抱えている問題は複雑です。

今回の参考・関連・情報源
◆秋田県農林水産部、三重県農林水産部職員の方々

 

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